病院以外でも大活躍できる臨床心理士

風船

臨床心理士とは?

社会が複雑化しストレス過多となっている現代では、子どもからお年寄りまで、心に何らかのストレスを抱えながら生きています。

イジメ、家庭内暴力、鬱病による自殺、不登校や通勤拒否などのいわゆる引きこもりなど、心に抱える問題が社会問題の原因となることも少なくありません。

臨床心理士は一般的にはカウンセラーと呼ばれており、このほかサイコセラピストや心理判定員と呼ばれることもあります。臨床心理士の仕事は、大きく4つに分けられます。

1つ目は、臨床心理査定と呼ばれるものです。心理テストなどを行って、その人の個性や特徴、問題点を明らかにし、どのような援助が最適なのかを検討します。

2つ目は、臨床心理面接です。いわゆる、カウンセリングと呼ばれるものです。一対一で面談し、精神分析や箱庭療法、遊戯療法、行動療法などさまざまな技法を使って、心の問題の解決を支援するもので、最も臨床心理士らしい仕事といえます。

3つ目は、臨床心理的地域援助です。対個人ではなく、広く地域社会や学校、企業などに所属する人々の心の健康を守るための活動を行います。

4つ目は、臨床心理に関する調査や研究です。臨床心理に関する技法や、事例などの研究を行って専門知識を深めることが目的です。

これら4つの役割を担う臨床心理士の活躍フィールドは、広範に亘ります。臨床心理士は医療・保健機関のほか、教育機関、福祉機関、司法・矯正機関、一般企業など幅広いフィールドで活躍しています。

幅広い分野で活躍

医療・保健機関では、心の問題で悩むひとだけでなく、病気やケガによって感情が不安定になっている人に対するメンタルケアも行います。また、地方自治法の保健センターで人々の相談に応じることも少なくありません。

教育機関では、学校や教育センター、教育相談機関などで、子どもの発達面の援助や、学業・生活などで問題がある生徒に対してサポートを行います。

本人はもちろんのこと親や教師と面談を行って、一人一人に最適なケアを行えるよう、関係機関と連携するしながら支援するのが仕事です。

福祉機関では児童相談所、各種福祉施設などで子どもの発達、非行、障がい、女性問題、高齢者の問題など、幅広い年代層を対象にメンタル面の援助を行います。

司法・矯正機関では、家庭裁判所、刑務所、保護観察所、警察関係機関などで、社会的な処遇を決めるために必要な心理テストや、矯正のための面接などを行います。

また、一般企業の相談室やハローワークなどで、働く人たちのメンタル面での相談やケアを行っています。

このような幅広い分野で活躍しているのが臨床心理士です。言い換えれば、人が関わるあらゆる分野で必要とされる人材なのです。

臨床心理士の資格

臨床心理士は公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会が実施している資格です。

(参考サイト)
http://fjcbcp.or.jp/

この資格を取得するためには、指定された大学の大学院で学ぶ必要があります。人の心に関わる仕事ですから、大学院で専門的に学ぶ必要があるのです。

心理学に興味のある人や、何らかの事情で悩んだり苦しんだりしている人の助けになりたい人にぴったりの職業です。

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