理学療法士に向いている人

コミニケーション能力は必須スキル

理学療法士に求められる資質で最も重要なのが、コミュニケーション能力です。
また、患者さんのことを第一に考える思いやりの気持ちも不可欠です。

身体機能に障害が生じて、体が思うように動かせない患者さんは、肉体的な苦しみも大きいですが、精神的な苦痛も強く感じています。
体が不自由になって、これからどうして行きていけばいいのか……と絶望的な気分に陥る人も少なくありません。
精神的なダメージが大きくて、リハビリテーションに消極的になってしまう人も多いのです。
こうした患者さんの苦しい気持ちをしっかりと受け止めて共感し、患者さんを精神面からも支え、明るく励ましていくのも理学療法士の重要な使命です。
患者さんの味方になって応援し、患者さんが安心してリハビリテーションを受けられるようにサポートしていくためには、思いやりの気持ちが欠かせません。

また、リハビリテーションを続けるためには患者さんご本人はもちろんのこと、その家族の理解と協力も不可欠で、患者さんや家族かとの信頼関係を築いてく必要があります。
さらに医師や看護師、他のリハビリ職のスタッフ、ソーシャルワーカーなど他職の人たちと連携しながらリハビリテーションを行っていきますから、常に人とかかわっている仕事でもあります。

このため、患者さんや家族を始め、他職のスタッフとの良好なコミュニケーションも必要です。
患者さんの状態や今後のリハビリテーションの方針について患者さんや家族にわかりやすく説明したり、励ましたり、説得したりなどの話す力、そして相手の話にしっかりと耳を傾ける聞く力の両方が求められます。
コミュニケーションスキルは、理学療法士が身につけなければいけない必須スキルです。

柔軟な考え方ができることも大切

状況に合わせて柔軟に対応できる応用力がある人も、理学療法士に向いているといえるでしょう。
理学療法士は病気やケガなどによって身体機能に障害が生じた人に対してリハビリテーションを行うのが仕事です。

しかし患者さんの症状は千差万別。
原因となる病状が同じであっても、症状の現れ方は患者さんによって異なります。
したがって、同じリハビリ方法や治療法が誰にでも当てはまるわけではありません。
患者さんの症状はもちろんのこと体力や筋力、体型、性格といった個性は一人ひとり違います。
それぞれの患者さんに最適な治療方法を考え、プログラムを立案しなければいけません。

そのためには、医学的な専門知識はもちろんのこと、患者さんの状況に応じたリハビリテーションを考える必要があります。
教科書通りに行っても効果が現れないこともありますから、柔軟かつ臨機応変に治療法を考える応用力、適切なプログラムを選ぶための判断力が求められます。

さらにリハビリテーションでは患者さんの体を動かすなど、体力を使います。
体を動かすのが苦痛でない人のほうが、理学療法士に向いているといえるでしょう。

関連記事