理学療法士の平均的な給料について

安定しているが収入は高くない

高齢化社会の進展とともに理学療法士のニーズが高まっており、安定した収入が期待できる職業といえます。
しかし平均給与をみてみると、他の職業に比べて突出して収入が高いわけではありません。

厚生労働省が調査しとりまとめた平成29年賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の収入は作業療法士と同じとされています。
これによると理学療法士の平均勤続年数は5.7年、平均年齢は32.7歳。
そして平均給与は28万4100円、賞与は63万9900円となっています。
年収に換算すると、平均404万9100円であることがわかります。
理学療法士の給与の目安は25万~30万円程度、年収は350万~500万程度といえるでしょう。

しかし年収は、職場規模などによって異なります。
一般的に総合病院など大きな病院ほど給与が高い傾向があり、小規模な福祉施設などでは給与は低めといえるでしょう。

また、公立病院などの公的施設では公務員としての給与となります。
給与事態はそれほど高いとはいえませんが、福利厚生が充実しており休みもしっかりととれますし、安定した生活が期待できます。

理学療法士は国家資格ですから、初任給が他の職業に比べて高めに設定されています。
ただ、他職とくらべて昇給率が低いのが特徴といわれています。
ですから最初のうちは給与が高くても、何年勤務してもそれほど給与が上がらないケースも多いのです。
政府が公表している年代別の平均収入をみると20~24歳から45~49歳までの約25年間で、平均して239万円昇給しています。
しかし理学療法士の場合、25年間で昇給額は167万円程度に過ぎません。
なかなか昇給しないことがおわかりになると思います。
一人暮らしなら十分にくらしていけますが、結婚して子どもができると、生活費や教育費、老後の貯金などの確保に苦労する人もいます。

しかし、管理職になるなど役職につくと役職手当が支給されるなどして、収入が一気にアップすることもあります。
職場探しの際は初任給だけでなく昇給率や賞与、福利厚生などについてもしっかりとチェックしておきましょう。

待遇は概ね良好、残業が多い職場もあり

理学療法士の雇用形態をみてみると、大半が正規社員として働いており、パートや派遣社員など非正規社員として働いている人はごく一部です。

待遇も優遇されているといえるでしょう。
病院勤務でも夜勤などはありませんし、週休2日が確保できる職場が多いようです。
ただ、残業のある・なしは、職場によって異なります。
また、残業をしても残業代が支払われない職場もありますから要注意です。

理学療法士は収入が多いとはいえなくても、安定して働ける職業といえるでしょう。
待遇は職場によって異なりますから、事前によく確認することをおすすめします。

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