歯科衛生士のキャリアアップ

歯ブラシと歯磨き粉

転職に有利な認定歯科衛生士の資格

歯科衛生士は国家資格で、一度資格を取得すると一生活用できる生涯資格です。だからといって、国家資格を取ったからもう勉強をしなくてもいいわけではありません。

歯科医療の技術は猛スピードで進んでいますから、資格取得後も常に新たな知識を仕入れ、勉強を続ける必要があります。特に近年の医療は細分化しており、特定分野の専門性が求められるようになりました。歯科衛生士も例外ではありません。

医科医療の特定分野ごとに、認定歯科衛生士の資格が設けられています。認定歯科衛生士の資格は各種学会が行っているもので、さまざまな特定分野に分かれています。認定歯科衛生士の資格の中でも人気が高く、転職に有利な資格をピックアップしてご紹介します。

矯正歯科衛生士

歯並びが悪いと食べ物がうまく噛めず、噛み合わせもおかしくなりますから、体に悪影響をおよぼします。また、見た目にも影響するため、芸能人がデビューするときは、まず歯並びを直すといわれるほどです。

歯の矯正は子どものうちにするのが一般的ですが、さまざまな理由で矯正が行えなかった人が、大人になってから矯正を希望する人も増えています。このため子どもから大人まで、需要の高いのが矯正歯科です。

歯科矯正は治療に時間がかかりますから、その間の歯のメンテナンスに関する専門知識を持つ歯科衛生士に対して、日本成人矯正歯科学会が認定を行っています。日本成人矯正歯科学会の会員になり3年以上の人で、歯科矯正を専門に行っている歯科医療機関で3年以上の実務経験のある人が対象となります。

認定歯科衛生士

日本歯周病学会が実施している認定制度です。歯周病は歯を失うだけでなく、さまざまな病気の原因になるといわれており、日本では約80%の人が歯周病にかかっていると報告されています。このため、歯科医院では虫歯治療と同様に、歯周病の予防や治療にも非常に力をいれています。

認定歯科衛生士になるためには、歯周病治療を行う歯科医療機関で5年以上の実務経験があること、日本歯周病学会の会員であることなどが条件で、決められた講習会などへ参加したうえで試験に合格しなければいけません。

インプラント専門歯科衛生士

日本口腔インプラント学会の認定制度です。昔は入れ歯などが主流でしたが、現在ではインプラントを行う人が増えてきました。インプラントの治療補助や、施術後のメンテナンスには専門の知識が不可欠です。

本口腔インプラント学会の会員で、インプラント治療での実績が3年以上あり、学会や講習会などへの参加を行い、試験に合格して認定を受けます。

ホワイトニングコーディネータ

日本歯科審美学会が認定を行っている資格です。近年、歯科医療の役割が大きく広がっています。ホワイトニングもその一つで、真っ白く美しい歯を保つためのケアに求める人が増えてきました。白い歯は、人に清潔感を与えるので好印象になるうえ、歯を美しく保つことは歯の健康にも必要です。このため、ホワイトニングを行う歯科医院が増えています。

ホワイトニングは自宅で行うものと、歯科医院で行うものがありますが、歯科医院で専門の薬剤を使って行うホワイトニングは、歯科衛生士の腕の見せ所です。ホワイトニングの専門知識を持つことを認定するこの資格があれば、転職も有利になります。

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