作業療法士の就職先と選び方

作業療法士の活躍の場は?

作業療法士の就職先は主に医療機関、福祉施設、高齢者向け施設、行政機関や教育機関などその他の施設と多岐にわたります。
また、作業療法士が働く現場にも、さまざまな分野があります。
まずは、どのような分野の作業療法を行いたいのか明確にしましょう。

作業療法の対象となる人は、身体機能及び精神機能といった領域だけでなく、子どもや成人、お年寄りといった年代、急性期、回復期、維持期、または急性期から維持期までを総合的に行うといった病状など、幅広い対象範囲があります。

成人の身体障害領域のケアを行いたいなら、総合病院や整形外科などの医療機関の求人を探すのが効率的です。
子どもに関わりたいのであれば、児童発達支援センターなどからの求人を探すべきです。
また、お年寄りの支援を希望するなら、福祉施設や高齢者施設などの求人を探しましょう。

職場探しをする際には、自分のキャリアプランを見直すことも重要です。
将来、どのような作業療法士として働きたいのかを、今一度考えてみましょう。
今後、認定作業療法士や専門作業療法士といった上位資格を取得して、作業療法士のプロとして活躍したい。
将来は教育分野で働きたいので、複数の職場で働いて経験を広げたい。
一つの職場で定年まで勤めたい。
将来は独立開業を考えているので、経営面での勉強もできる職場で働きたい。
作業療法士によって、さまざまなキャリアプランがあることでしょう。
それによって、どの職場で働けば将来に役立つのかが、わかるのではないでしょうか。

また、医療機関以外での求人情報も集めましょう。
作業療法士の就職先で圧倒的に多いのは病院などの医療機関ですが、このほかの職場にも目を向けることをおすすめします。
というのも近年は、国の財政難もあり、入院医療から在宅医療へと重点がおかれるような政策が取られているからです。
このため維持期の患者さんは自宅療養が多くなり、訪問看護や介護ステーションなどでも作業療法士の求人が目立つようになりました。

このほかにも、スポーツ分野でのリハビリテーションや、行政施設、教育・研究施設など、さまざまな選択肢があります。
自分の適性や希望を把握した上で、広い視野で職場探しをすることをおすすめします。

作業療法士の数でわかる職場環境

職場の規模をチェックするのも、一つの方法です。
その職場で何人くらいの作業療法士が働いているか、確認してみましょう。

総合病院など大きな病院では、大勢の作業療法士が働いています。
このような場合は、一人ひとりの分担が決まっていて、機能的に仕事が進められていくケースが多いようです。
とても働きやすい環境といえますが、その反面、システムがカッチリと決まっていて保守的な傾向があります。
したがって、何か新しい療法を試してみたいと思っても、なかなかチャレンジできないかもしれません。

一方、作業療法士の数が少ない職場の場合、残業などが多くなることがあるデメリットが考えられますが、その反面、一人の作業療法士に任される仕事が多いので、新しいことにチャレンジしやすいメリットがあります。

さまざまな視点から職場を比較して、自分にピッタリの職場を選びましょう。

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