作業療法士になるには

作業療法士になるために国家試験を目指そう

作業療法士とは着替えやトイレ、食事、入浴など、生活をするために必要な機能を回復させるために、運動機能や感覚機能、知覚機能、心肺機能、認知機能、精神機能などを向上させるためのさまざまなサポートを行うリハビリテーション職の一つです。

作業療法士は国家資格なので、国家試験に合格して厚生労働大臣から作業療法士の免許を受けなければ、作業療法士として働くことはできません。

作業療法士の国家試験を受けるためには、作業療法士を養成する専門学校や短大、大学で3年以上学ぶ必要があります。
学校では座学のほか、病院やリハビリテーション施設などでの臨床実習も行われます。

国家試験の合格率は毎年70~80%台で推移していますが、高齢化で作業療法士の需要が高まっているので、年々難易度が高くなっています。

また資格取得後は、さらに認定作業療法士や専門作業療法士の資格を取得してキャリアアップすることも可能です。

作業療法士と理学療法士はどう違う?

作業療法士とよく似た職業に、理学療法士とがあります。
作業療法士と、理学療法士の違いはどのような点なのでしょうか。

もっとも大きな違いは、理学療法士が心身機能を回復させるためのリハビリテーションを行うのに対して、作業療法士は日常生活や社会生活が行える応用力を向上させるために、心と身体の両面からアプローチする点です。

具体的にいうと、理学療法士は立ったり、歩いたり、寝返りをうったりといった基本的な動作が行えるようリハビリテーションを行ういますが、作業療法士は指を動かしたり、入浴をしたり、食事をしたりといった日常生活を送るために必要な機能の回復をサポートするのが仕事です。

また、子どもの発達障がいや、高齢者の認知症などの精神面のケアも行い、社会生活が送れるように、作業療法によってアプローチします。

作業療法士の就職先

作業療法士はどのような場所で活躍しているのでしょうか。
もっとも多いのが、総合病院や大学病院、リハビリテーションセンター、精神科病院などの医療機関です。
しかし最近は高齢化が進んだこともあり、老人保健施設やリハビリテーション施設といった高齢者施設からのニーズが高まっています。

このほかにも肢体不自由児施設や身体障がい者福祉センターなどの福祉施設、地方自治体や保健所、精神保健センターなどの行政機関で働く作業療法士もいますし、大学院や作業療法士養成校、養護学校などの教育機関や研究分野で活躍している人もいます。

高齢化が進んだため近年は、介護予防分野からのニーズが高まっており、特に認知症予防に関して作業療法士の活躍が期待されています。
作業療法士は、日常生活の向上や環境への適合といった、その人の人生に深く関われる仕事です。
リハビリテーション職に興味のある方は、チャレンジされてはいかがでしょうか。

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